社会的インパクト不動産の取組み

GOYOHの原点と進化

不動産における社会的インパクト投資のフロントランナーとして

GOYOHが「不動産における社会的インパクト投資」という領域に本格的に取り組み始めたのは、2016年に遡ります。背景には、代表・伊藤が携わってきたグローバルな不動産アドバイザリー業務の中で得た、2つの重要な経験がありました。

国際不動産ファンドにおけるESGアドバイザリーからの示唆

ひとつは、国際的な不動産ファンドに対するESG戦略の策定や、出資元である機関投資家へのアドバイザリーを通じた取り組みです。この経験からGOYOHは、不動産におけるESGは単なる「コスト」ではなく、「リターンの源泉」となり得るという信念に至りました。

とくに注目したのはESGの「S(Social)」の領域。建物利用者が得る体験価値や、地域社会への貢献といった社会的インパクトは、賃料・稼働率・募集効率といった資産パフォーマンスと相関し、ポジティブな影響を及ぼすことが明らかになってきました。

この仮説はやがて、テナント企業や利用者の視点からESGの可視化・改善を行うSaaSサービス「EaSyGo」として結実し、不動産価値の向上を支援する独自ソリューションへと発展しました。

富裕層向けホスピタリティ開発から得た「体験価値」と社会的影響の相関性

もうひとつの起点は、日本国内における統合型リゾートやラグジュアリーホテル、超富裕層向けレジデンスの開発・誘致に関する専門的な支援業務です。

この中で私たちは、「ウルトラ富裕層が求める『体験価値』のクオリティは、地域社会や環境への正のインパクトが重要であり、また不動産価値へと転化される係数が高い」という事実に直面しました。すなわち、社会的インパクトが経済的リターンに直結する構造が、ラグジュアリー不動産領域では特に顕著であるという洞察です。

一方で、オーバーツーリズムなどが引き起こす環境・社会への悪影響は「ネガティブインパクト」として資産評価にマイナスの作用を及ぼすことも明確になりました。

この経験は、ラグジュアリーな空間づくりや都市開発において、社会的インパクトを「可視化・評価・実装」し、ポジティブな影響を最大化する重要性を強く認識させるものとなりました。
私たちは、社会や地域への貢献度が高い建物や街こそが、観光立国を掲げた日本の将来像にふさわしいという信念を抱くに至ったのです。

社会的インパクトを「見える化」し、投資につなげる

現在GOYOHは、国内外の機関投資家や開発事業者、行政機関と連携しながら、不動産における社会的インパクトの「定量化・可視化・実装」の分野をリードしています。都市や建物の社会的価値を測定するだけでなく、実際に介入や改善を行い、それを金融価値につなぐツールや評価手法の開発を進めています。

さらに、たとえば「社会的インパクト連動型ファイナンス」の導入支援や社会実装にも取り組んでいます。

GOYOHはこれからも、不動産を通じて、体験価値で持続可能な未来を築いてまいります。