持続可能性はリゾート・観光における核心的価値へ
人々の生活や活動において、日々、多数の種類の不動産施設が直接・間接的に用いられ、様々な活動の起点となります。そのなかでも、リゾートなどのツーリズム型施設は、持続可能性において最も大きな付加価値を創出することが可能な施設の一つです。
持続可能性は、日本の今後のリゾートを含むツーリズム開発おいて、最重要の課題であるとともに戦略的要素でもあります。
課題:観光資源とオーバーツーリズム
コロナ禍前より、大きく成長曲線を描いていた日本の観光産業(インバウンド)では、その代償として、オーバーツーリズムによる環境・文化・資源の持続可能性への影響が大きな課題として浮き彫りとなりました。
今後、Afterコロナの時代のさらなら観光産業の成長局面では、再びオーバーツーリズムは課題として浮き上がってくると予想されます。
また2019年に菅総理大臣(当時:官房長官)は、日本に世界レベルのホテルを50カ所程度を新設することをめざすとの意向を示すなど、今後、国立公園を活用したラグジュアリーリゾート開発なども視野に入れた開発が議論されると予想されますが、その場合、国立公園内の自然や文化における持続可能性は最も重要な論点となるといえます。
戦略的要素:持続可能性はリゾート・観光における核心的価値へ
しかし、持続可能性は日本の観光産業にとって課題となるだけでなく、大きな価値をももたらす可能性を持っています。
ゲスト(旅行者)にとっての旅先での、ヒト、コミュニティ、文化、産業、自然、などにおける持続可能性への参加や貢献といった関与は、ゲストにとってそのコミュニティや施設へ繰り返し訪れる非常に強い動機となります。
「現在進行形で自らの行動による貢献が実感できる機会」があり、そして「同じ生き方の価値観を共有できるコミュニティ」であることは、人々が求める「リゾートという非日常のなかでの自分らしさ、感動や体験」といった要素として年々その価値が高まっています。
この傾向は、富裕層において、さらに富裕層の中でも上位富裕層になるにつれて、顕著になっています。
トレンド:グローバル富裕層は持続可能性にプレミアムを払う
グローバル富裕層から支持されるSustainabile Resortとして名高いSonevaは、ラグジュアリーリゾートにおける持続可能性において業界をリードするリゾート運営会社です。 Sonevaの運営するラグジュアリーリゾートでは、消費される温室効果ガス、食物、ガラス・金属・資源の利用、人的資源などすべての要素を詳細に科学的な解析を行い、還元・創出を行うことによる持続可能性を追求した運営を行っています。その類を見ない徹底した持続可能性への取り組みと、ゲストと価値観を共有する持続可能型ラグジュアリーリゾートのモデルは世界的に富裕層ゲストから支持されています。
モルディブにある島丸ごとがラグジュアリーリゾートのSoneva Janiは、2019年には69%というリゾート施設として高い稼働率、$2,701のADR(平均客室単価)を記録しています。
北海道ニセコで高級リゾート施設Orchards Nisekoを運営するMnKでは、植林など持続可能性を地域コミュニティへ還元する活動を、施設スタッフ、ゲスト、コミュニティと連携して取り組んでいます。
MnKが運営するキッズプログラムでは参加する子供たちの手によって植林などの活動に参加でき、海外富裕層を多く含むゲストはピークシーズン以外の時期にも繰り返し訪れます。
北海道ニセコを拠点に、グローバル富裕層向けの不動産マネジメントサービスやリゾートサービスを一元化して提供するテック企業RoomBossは、スキーリゾートへ訪れるゲストが地域の持続可能性への貢献が可能となる「グリーン・スキーリフトパス」をGOYOHと共創開発しています。
関連:GOYOHセミナー「ラグジュアリー&サステナブル リゾート開発シンポジウム」(2020年2月)
GOYOHが提携するWealth-X社のリサーチによると、グローバルなウルトラ富裕層の趣味・関心毎において、慈善活動は最も順位の高い項目(36.3% / 1位)に挙げられています。
またその他の項目では、スポーツ(34.5% / 2位)、アウトドア(17.6% / 4位)、アート・芸術(15.4% / 6位)などが挙げられており、これらの要素を、リゾートや観光に関連するコミュニティや慈善活動といった持続可能性への参加機会と組み合わせることが、グローバル富裕層から支持される上で重要と言えます。
このような持続可能型リゾートとして成立させ、効果的に継続するには、運営者・ゲスト・コミュニティに共通して可視化させた効果測定と目標設定が必要となります。
持続可能性にもとづいた行動や貢献が可視化されることにより、自らの行動による効果や結果を実感することができ、また同じ価値観をもつ人々との共有・共感が可能となり、共通の目標が生み出されます。
さらに、適切なツールやテクノロジーを活用した可視化と効果測定により、環境分野に限らず、コミュニティ、人的資源、伝統文化、伝統産業、といった分野でも持続可能性への選択肢を生み出し、共有し、目標を立て、大きな波及効果を創り出すことが可能となります。
次世代のリゾート産業において、持続可能型ツーリズム(リゾート)は、人々から最も求められる要素であるとともに、施設・不動産やコミュニティの価値を上げ、さらに人々を引き付ける好循環を生み出す核心的な要素となると私たちは考えています。
不動産ESGテックサービス「EaSyGo」は不動産オーナーや運用者へ適切なツールを提供することにより、個々の不動産という「点」の枠を超え、その他の点と繋ぐ「線」との連携により、不動産を舞台とした人々にとって持続可能性への共通の取り組みとなる行動変容を促します。
人々の能動的な持続可能性への行動変容を促すため、EaSyGoは不動産の利用者へ動機、手段、評価、共有、共感といった、持続可能性への取り組みに必要な要素と選択肢を提供します。
個人からコミュニティへ、コミュニティから街へ、街から都市へ、持続可能性を拡げます。
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